口から吐き出される悪臭の総称が「口臭」で、
「生理的口臭」「病的口臭」「外因的口臭」「心因性口臭」
の4つに分けられます。
まず生理的口臭とは、寝起きや空腹時、ストレスなどの生理的な理由や、加齢によっても発生するもの。
病的口臭とは、ロの中や体の病気に由来するものです。
ニンニクやネギなどニオイが強い食品を食べたり、喫煙したときに発生するのが外因性口臭。
そして、本人は口臭があると思い込んでいるけど、実際には認められないのが、心因性口臭です。
生理的口臭や病的口臭の発生原因は、その約8割以上が口の中にあるといわれています。口の中の食べかす、はがれた粘膜などのタンパク質を細菌が分解することで口臭が発生します。これらを予防するためには、ロの中の汚れや細菌を少なくすることが大切。口の中を清潔に保つようにしましょう。また入れ歯による口臭もあるため、普段から「入れ歯洗浄剤」でこまめに洗浄するようにしましょう。ただ、どうしても気になるときは、口臭外来など専門の診療科があるので、受診してみるのもいいでしょう。
気になる口臭、どうしたら予防できるのでしょうか?
口臭の原因別対策
<舌苔が原因 気になる人は1日1回ケアを!>
健康な人の舌はピンク色ですが、人によっては舌の中央に白い苔のような物がつくことがあります。歯垢と同じく細菌のかたまりで、口臭の原因になります。また、抗生物質など薬の影響や糖尿病などの病気によって、色や量が変化します。気になるときはハブラシやタン(舌)クリーナーで清掃をしましょう。
<歯垢が原因 口の汚れをほおっておかないこと!>
歯垢の中の細菌が、食べかすなどのタンパク質を分解して、口臭を発生させます。歯垢による口臭を防ぐには、なにより丁寧な歯みがきを食後に行うこと。また、入れ歯やブリッジは汚れがつきやすいので、きちんと清掃するようにしましょう。
<唾液の減少が原因 口のうるおいを保つように!>
ロの中は唾液によって自浄作用が働いていますが、唾液が少なくなると口の中が渇き、粘膜の剥離したものがたまったり、細菌が増殖しやすくなるので、口臭の原因になります。歯みがきや粘膜ケアをしたり、こまめに水分を摂るなど、口のうるおいを保つようケアを心がけましょう。
<食べ物が原因 時間がたてば、自然と消えます!>
ニンニクやニラ、ネギなどに含まれるニオイ成分は、胃で消化されたあと、血液によって体内をめぐり、肺を経由し、口臭となってはき出されます。またアルコールは分解される際に二オイを発生します。多くは時間とともに消えますが、気になるときは洗口液や口中清涼剤などを使いましょう。
<歯周病やムシ歯菌が原因 なにより治療を優先させて!>
歯周病が原因で、口臭が強くなることがあります。また、ムシ歯が重症のときにも、口臭を発生する場合があります。歯みがきによるケアはもちろん、歯科医院できちんと治療をしてもらい、いやな口臭を元から絶ち切りましょう。
<全身の病気が原因 まずは根本的な治療を>
たとえば糖尿病の人は、特有な口臭があり、ほかにも胃腸や呼吸器、鼻疾患など、全身の疾患が原因で発生する口臭があります。病気によって、ニオイの種類も変わりますが、いずれも口の中を清潔にするだけでは、ニオイを取り除けません。根本的に病気を治すため、医療機関へいきましょう。
口臭は1日の中でも変化します!
口臭の強さは1日の中でもさまざまに変化をします。たとえば起床時(モーニングブレス)や空腹時(ハンガーブレス)は唾液分泌が減少し、細菌が増殖した状態になり、口臭が強くなります。また、ストレスや緊張時にも唾液の分泌量が低下し、口臭が強くなります。
口臭にはどんな原因があるのかを把握し、予防策を身につけましょう!
歯と口の健康づくり基本120