歯ぐきがはれる、歯みがきすると血が出る、などの症状を感じたら、
歯肉炎かもしれません。
歯肉炎は歯周病の初期症状で、歯と歯ぐきのすき間の溝に汚れや細菌がたまり、歯ぐきにはれなどの炎症が起こります。軽度ならきちんと歯みがきすることで改善しますが、放置すると重症化し、歯周炎へ進行し、歯を失うこともあります。
また、歯みがきなどによる口の中の清掃が正しくできていても、まれに歯肉炎が長期間続いたり、一度治っても再発することがあります。歯みがきで改善しない場合は、症状が軽いうちに歯科医院に相談することをおすすめします。
歯肉炎の症状
健康な歯ぐきは薄いピンク色で弾力性があり、引き締まっています。歯肉炎を起こすと赤みを帯び、歯との境目が丸く、厚みをもってふくらんできます。はれでブヨブヨし、歯みがきなどで出血しやすいのも特徴です。
Check!疲れやストレスも歯肉炎を進行させる危険因子です
ストレスや栄養不良、ロの中の衛生状態の悪化など、忙しくて生活が不規則になることで体の抵抗力が低下し、歯肉炎が進行することがあります。不規則な生活は、口の健康状態にも影響を与えかねません。疲れているなど感じたら、生活のリズムを立て直し、しっかり歯みがきすることで、歯ぐきの健康を守りましょう。また、くいしばりや歯ぎしりのくせのある人は歯周炎になりやすいので注意しましょう。
毎日の歯みがきで予防
歯肉炎なら、毎日の歯みがきをしっかりすることで、健康な歯ぐきを取り戻せます。まだなっていない人でも、日々の歯みがきで歯垢をきちんと落とすことが、予防の第一歩になります。歯みがき後、歯と歯ぐきの境目、歯と歯の間にみがき残しがないかもチェックしましょう。歯科医院で定期的に清掃をすることも、歯周病予防につながります。
歯肉炎が進行すると、どうなるの?
歯肉炎をそのまま放っておくと、炎症が歯槽骨や歯根膜など深部の歯周組織にまで及び、この状熊を歯周炎と呼びます。歯肉炎と歯周炎を総称して「歯周病」と呼びます。
歯周炎の症状
歯周炎になると、歯を支える組織が破壊され、歯がグラグラしたり、膿などが出て口臭が強くなります。さらに進行すると抜けてしまうこともあるので、早めの治療を!
Check!低年齢化が進む歯周病に注意
歯周病は成人病の1つと思われてきましたが、最近は5~14歳の約5割が歯肉炎にかかっているというデータが!原因として、生え替わり期の歯並びによるみがき残しが多くなりがちだったり、思春期では生活リズムや食生活の変化などがその背景にあるといわれています。また、ストレスも一因だと考えられています。
歯周病セルフチェック
1つでも当てはまる項目がある場合、早めに歯科医院で診断を
❏ 歯ぐきの色が赤い、もしくはどす黒い
❏ 歯と歯の間の歯ぐきが丸く、はれぼったい
❏ 歯ぐきが、疲労時やストレスがかかっているときにはれやすい
❏ 歯ぐきが退縮して、歯と歯の間にすき間ができてきた
❏ 歯が長く伸びてきた
❏ 歯の表面を舌で触るとザラザラする
❏ 歯をみがいているときなどに、歯ぐきから出血しやすい
❏ 朝起きたとき口が苦く、ネバネバして気持ち悪い
❏ 歯ぐきを押すと、白い膿がにじみ出てくる
❏ 歯がグラグラする
❏ 歯と歯の間に食べ物がはさまりやすい
❏ 上あごの前歯が出てきた
❏ 人から口臭があるといわれる
出典/河合幹ほか編:口腔ケアのABC医歯薬出版1999
歯と口の健康づくり基本120 扶桑社刊