お口の中の話
2018/08/21

むし歯のできやすい歯があるって本当?

前歯と奥歯を比べれば、やはり奥歯のほうがずっとむし歯になりやすいようです。これは歯の形を見ても、なんとなく想像できます。
さらに詳しく見てみると、奥歯のうちでは第三大臼歯、つまり親知らずを除いて、奥から二番目の第一大臼歯が第1位、もっとも奥の第二大臼歯が第2位となっています。
次はその手前の第一、第二の小臼歯、そして、犬歯、側切歯(前歯のうち前から二番目の歯)の順になっています。また、奥歯の場合は上と下で差はありませんが、犬歯や前歯の場合は下よりも上に多いという傾向が見られます。
もちろん、それ以外の歯にはできないということではありません。中切歯(いちばん前の歯)にも、下の犬歯や前歯にもむし歯はできます。
第三大臼歯、俗にいう親知らずはもっともできやすいと言えるでしょう。

どの歯にできやすいか、という以上に知ってほしいのは、歯のどの部分にできやすいかということです。

まず、奥歯のかみ合わせ面です。そこには複雑な形の細い溝があります。この溝がくせ者で、汚れがつきやすいため、むし歯になりやすいのです。
反対に、前歯では歯の先端よりも根っこに近い部分がむし歯になりやすいのです。
次に、隣り合った歯と歯の間です。とくに奥歯の間には、どうしてもたくさんの汚れが残り、それを栄養にしてむし歯菌が活躍するわけです。前歯では、歯と歯の間の歯茎に近いところがとくに要注意です。
また、奥歯の外側には細かいひだがあります。これもむし歯にやられやすい部位のひとつです。
そして意外なのが上の前歯の外側、外から、いちばんよく見えるところです。こういうところには食べ物の汚れはあまりつかないからむし歯にはならないだろうと思われますが、唾液によって洗われることが少ないという条件が、むし歯になりやすくしています。

引用元:
歯がわかる本 鴨井久一監修 みずうみ書房刊