予防の話
2018/08/27

スポーツと歯

人間は、食べものや水などを飲みこむ時、口を閉じて上下の歯を接触させて下のあごを固定しています。口を開けたままでは、嚥下することは非常に困難なはずです。それらの生理的な運動をする時ばかりではなく、瞬発的にカを発揮しなければならない時には、口を閉じてしっかり奥歯を噛みしめます。それでないと、強いカは発揮できません。「歯をくいしばる」という言葉はここからきています。

スポーツ選手にとって歯は命

一流選手ほど、歯にかかってくる負担は相当なものです。歯へのカのかかり具合(咬合力、咬合圧)は、スポーツの種類と内容によって異なりますが、瞬間に筋肉の力を最大限に発揮することを要求されるスポーツにおいては、その依存度は顕著です。たとえば、相撲の力士にとって、立ち合いのぶつかり合い、瞬間の勝負どころでの渾身のカをふりしぼっての攻防は、見ていても思わず手に汗をにぎってしまいます。奥歯を噛みしめた時の咬合圧は、平均50~70㎏ですが、カ士では100㎏を超えているでしょう。体を接触させる機会の多い激しいスポーツは、歯が祈れたり、口の中が傷ついたり、あごや顔面に損傷を受ける危険性があり、スポーツ事故を防止するために、マウスピース(マウスガード、プロテクター)を上あごの歯列に装着することが推奨されています。

スポーツ用マウスピースで安全にスポーツを楽しもう!

アメリカンフットボール、ボクシング、空手は義務化されていますが、ラグビー、サッカー、バスケットなども装着したほうがよさそうです。市販のものと、カスタムメイドのものがあり、材料は弾力性のある、エチレンビニールアセテート、ポリ塩化ビニールなどが使われています。もちろん、カスタムメイドの方が、装着時の違和感は少ないです。これは、歯科医院で製作してもらうことができます。

マウスピースの利点

1 外傷の予防
2 脳しんとうの軽減
3 運動能力の向上

歯科医院での製作手順

1  むし歯やかみ合わせを診察後、歯型とかみ合わせを取ります。

2  製作後、お一人お一人に合わせて調整し、装着していただきます。

お口の中は人それぞれ違います。
ご自分のお口に合ったものを歯科医院で作りましょう。

引用元:
おもしろい歯のはなし60話 磯村寿賀人著 大月書店刊