歯とからだの話
2018/10/09

クレンチングをやめるための訓練法

団体旅行した時など、同室になった人にいびきや、歯ぎしりを指摘された経験はありませんか。歯ぎしりの力は、起きている時に思い切り噛む力より大きく、歯と歯周組織の許容限界を越えるとも考えられます。歯をずらさずにくいしばるクレンチング(無意識のくいしばり)も同様です。


ストレスを受けると、無意識にクレンチングをするようになり、歯と歯周組織に耐えられないほどの大きな圧力がかかります。歯の痛みや、歯の揺れが気になる時、原因は無意識に行うクレンチングの疑いがあります。
クレンチングする筋肉は、本来、自分の意志でコントロールできますが、自分の意志と無関係に緊張するようになってしまった場合、訓練が必要になります。以降にその訓練法を挙げました。興味のある方は取り組んでみてください。

クレンチングをやめるための訓練法

①「唇を閉じて上下の歯が接触しない状態を保つ」を常に思い起こし、実行する。
② ストレッチ運動をする。筋肉をリラックスさせるよう、力を抜いて筋肉をほぐすように伸ばす。
③ 手を思い切り上に伸ばして緊張させてから一気に脱力させる。肩を上に上げられるだけ上げて、一気に力を抜く。
④ 自律訓練法を習得する

自律訓練法の手順

❶ 薄暗い静かな部屋でくつろいだ姿勢をとる。
❷ ゆっくりと4~5回、腹式呼吸をして気持ちを集中させる。「気持ちが落ちついている」この言葉を心の中で4~5回、ゆっくり繰り返す。
❸利き手に意識を集中させて「重くダラーッとした感じがする」と心の中で唱える。続いて、左手→右足→左足と同じ言葉を唱える。

④ ②の自律訓練法を繰り返す。
⑤ 利き手に意識を集中させて、今度は「利き手が温かくなる」と心の中で唱える。続いて、左手→右足→左足と同じ言葉を唱える。
⑥ ②の自律訓練法を繰り返す。
⑦ そのまま眠りにつく時以外は、大きなのびをして気分を現実に戻す。
毎日①〜⑦を2~3回(1回当たり約5分)続ければ、2~4カ月で習得できるようになるでしょう。

引用元:
歯のトラブル知らずになる本 中村輝夫著 山海堂刊