子どものむし歯予防において一番大切なことは、親の仕上げ磨きです。
いつ、どのように磨けばよいのか。いつまで必要なのか。
今回は小さなお子さんをお持ちのお母さんへの「仕上げ磨きのすすめ」です。
大人でも、毎日ブラッシングしているにもかかわらず、むし歯になってしまうことがあります。
そのくらいブラッシングは難しいもので、小さな子どもにとってはなおさら容易ではありません。
仕上げ磨きのすすめ
効果的なのは「寝る前」
仕上げ磨きは、寝る前にするのが最も効果的といえます。
無理なら一日一回、子どもの機嫌が良いときに始めましょう。
スタイルは「寝かせ磨き」
行うときは寝かせ磨きがよいでしょう。
幼少の時期は嫌がる子も多いようですが、お乳を飲ませるようにだっこして磨けば、うまくいきます。
また、子どもを歯科医院で治療するときのようにテーブルに寝かせ、親はいすに座って磨いてみるのもいいでしょう。
子どもの頭が安定して、歯が奥までよく見えます。とにかく、親子とも楽であればよいのです。
歯ブラシは「子ども用」と「仕上げ専用」の2本
歯ブラシは、子どもが使うものと仕上げ専用のものと、2本準備します。
できるだけ小さく、毛先の開いていないものがよいでしょう。
持ち方は、鉛筆を持つようにして、歯をよく見ながら上下の表、裏、噛み合わせをていねいに磨きます。
六歳臼歯が四本が生えそろうまでは毎日磨いてあげたいものです。
上の奥歯の歯と歯の間へ糸ようじを使う技術が身につけば、しっかり磨けていると言えます。
早く子どもの仕上げ磨きから開放されたいと思っているなら、子どもが上手に磨けるように頑張りましょう。
スキンシップのラストチャンス
仕上げ磨きを卒業しても、第二第臼歯が生えそろう小学五~六年生頃までは、ときどき点検が必要です。
優しく磨いてあげると、眠たくなるほど気持ちがよいもの。
同時に爪や耳の点検をしてあげるのもよいでしょう。
むし歯のないしっかり噛める永久歯ができあがれば、仕上げ磨きの役割はおしまい。
目標は「自分で自分の歯が守れる子どもに育てること」です。
歯で泣く人 笑う人 本田里恵著 医歯薬出版(株)刊