歯とからだの話
2018/10/25

食生活に注意して歯周病予防

むし歯予防においては「砂糖をとらないようにしよう」「間食を減らそう」など、食生活面の注意に基点がおかれます。
歯周病予防についても、同様の注意は必要です。
むし歯予防の食生活に加え、次のような点に気をつけてみてください。そして、食べたら歯をみがきましょう。

栄養バランスよく食べる

たんぱく質・脂質・炭水化物(糖質)の三大栄養素をバランスよく摂取し、ビタミン、ミネラル、食物繊維も豊富にとりましょう。
食物繊維を噛むと、歯の表面の掃除にもなり唾液も出ます。
柔らかすぎる食品は、よく噛まずにすぐのみ込めるため唾液があまり出ません。

歯を丈夫にする食生活を目指す

各種ミネラルのうちでも、カルシウムはとくに大切。歯の再石灰化にもカルシウムは必要です。
カルシウムはビタミンDといっしょに摂ると、効率よくからだにとり込めます。
歯を丈夫にする食事は、骨粗鬆症の予防になる「骨を丈夫にする食事」に共通します。

規則正しい食事を意識する

規則正しい時間に食事を摂ると、暮らしにリズムができ、生活全般が健康的になっていきます。
反対に不規則な生活をしていると、免疫力の低下により細菌への抵抗力が弱くなります。

歯と骨に良いカルシウムとビタミンD

カルシウム、ビタミンDが多く含まれている食品を紹介します。
食事に積極的に摂取することで、様々な症状の予防につながります。

カルシウムが豊富な食品

ビタミンDが豊富な食品

噛む&唾液パワーで歯を守ろう

食べ物よく噛むことで、唾液の分泌量が増えます。
唾液中の成分には消化を助ける作用のほか口腔内の浄化作用もあり、歯周病やむし歯の原因菌を抑えるパワーを発揮します。

▼唾液の役割

*口の中の潤滑・自浄作用があります。
*味覚と消化を助けます。
*悪い働きをする細菌の発育をおさえて口腔粘膜を守ります。
*むし歯で溶け出そうとする歯の修復を助けます。
*総入れ歯のあごへの吸着を高めます。

▼唾液分泌を促す食べ方

*かみごたえがある食品を選んで食べましょう。
たとえばコンニャク、コンブ、野菜など食物繊維の多い食品やスルメ、小魚などは特に噛みごたえがあります。
*調理方法を工夫して、かむ回数を増やしましょう。
たとえばサラダに入れるキュウリなどは、薄切りより一口大の乱切りにするとかむ回数が増えます。

よく噛むことは唾液分泌のためだけでなく、老化防止にも効果があります。
自分のペースで、無理のない程度に噛む食事をしていきましょう。

引用元:
中・高年の歯の病気がすべてわかる本 森山貴史著 主婦と生活社 刊