オリンピックをはじめ、テニス、サッカーなど様々な競技会で、多くの日本人選手が優秀な成績を収めています。
種目によって競う内容は多様のため体の使い方も異なりますが、それぞれの選手の体型や顔・口を見ていると、様々な特徴に気付きます。
体を構成している筋肉や骨は、使い方によって形を変える性質があります。
したがって、同じような動作をしているグループでは同じような体型、顔つきになっていきます。
これが成長期のトレーニングでは目立った特徴となります。
さらに、つくられた体の形や性能によって得意な動作が異なってきます。
これらの理由で、競泳と柔道の選手では違った特徴があり、同じ陸上競技の選手でも短距離走とマラソンでは異なった体型や顔つきをしているのです。
体の使い方が歯並びにも影響
「もう少し歯並びかみ合わせが良ければ、より良い成績が残せたのではないだろうか」と思うこともあります。
しかし歯並びだけが問題というのではなく「そんな歯並びになった体の使い方」も心配です。
片側ばかりで噛んだりくいしばったりすると、あごのズレや左右差が大きくなります。
野球のベースランニングやアイススケートなどでは、右足の蹴りが多くなりあごが右へずれる傾向にあります。
テニスやゴルフの一方向へのスイング、弓道のように左ばかり向くのも姿勢の左右差を招きます。
つまり水泳では、平泳ぎやバタフライ、背泳よりクロールのほうが危険です。
スポーツ以外でも、バイオリンやフルートの演奏、鉄道などの発券窓口のように横を向く頻度が高い仕事は注意が必要です。
左右差ができると病気にかかりやすくなる
左右差は、体の右側と左側の比較で強い側・弱い側をつくるので、弱いほうに障害が起こりやすくなります。
体を動かすのは筋肉の仕事です。過度の運動では終了後も筋肉の緊張が緩和されないことが少なくありません。
多くの競技では、体のひねりや曲げなど筋肉の使い方に左右差があります。
体を動かした後、筋肉の緊張が十分にほぐれていない場合、左右差が残ってしまい寝相に影響します。
つまり、上を向いて寝られない状態となり、骨の形や歯並びの左右差として定着してしまうのです。
また、過度の運動では酸素の消費量が多くなるため、鼻呼吸では間に合わなくなり口で息をすることになります。
哺乳類は本来、鼻を介して肺へ空気を送り、体内へ酸素を取り込むようにつくられているため、口での呼吸はさまざまな障害を招きます。
口やのど、気管の粘膜が乾燥するだけでいろいろな病気になりえます。
また、上あごの骨は鼻の骨ですから、成長期に鼻をしっかり使わないと上あごも十分に大きくならず、歯並びが整いません。
適切な運動や生活をする
体を鍛えることは体力の向上につながります。
持久力や集中力を高める、細胞活性を高めることは素晴らしいことですし、適度な運動は肥満防止や健康な日常生活にも有効で、体にも心地よいものです。
しかし、間違った体の使い方や不十分なクールダウンは多くの障害を招きます。
さらに過度の運動は交感神経の緊張を招き、自律神経のバランスを崩し自らを失うことすらあります。
いつまでもスポーツを楽しむためには、十分な骨休めをして疲れを残さないことが必要です。
短い睡眠時間やうつ伏せ・横向きの睡眠姿勢、口呼吸習慣には十二分に気を付けましょう。
口から始めるアンチエイジング 中道 哲著 保育社刊