口を開けると「あごが痛い」「音がする」「口が開けにくい」などは顎関節症の三大兆候です。
しかしこの病気のこわいところは、あごとは無縁と思われる肩こり、腰痛、頭痛などとなって症状がでる場合があるということです。
姿勢や食事中の何気ない習慣が原因になることも
顎関節症は、あごの関節に耐えうる以上の負担がかかることによって発病します。
その痛みを無意識にかばった結果、全身的な症状となって現れるのです。
また、かむときは左右同じような力でかまなければなりませんが、かみ合わせが悪いとバランスがくずれてしまい、片方ばかりに負担がかかってしまいます。
悪いかみ合わせの原因は、歯並びが悪い、義歯が合わない、歯が抜けたままになっているなどが考えられます。
また、姿勢が悪く、いつも左右どちらかに傾いていたりすると、食べるときも傾いた方ばかりでかむクセがついてしまいます。
そうした毎日の習慣がアンバランスのもとをつくりだしているのです。
かみ合わせを悪くする習慣
●姿勢が猫背ぎみである。
特に子供の頃の姿勢は大切です。猫背は注意しましょう。
●いつも首を左右どちらかに傾けている
●片側だけでかむクセがある
●食事中に足を組んでいる
●よくほおづえをつく
●いつも左右どちらかを向いて寝る
●歯ぎしりをしたり、歯を食いしばるクセがある
●テレビの方を向いて食事をする
悪いクセをやめることが治療と予防につながる
歯の治療やかみ合わせに問題がある場合は、口腔(こうくう)内の治療が必要となりますが、悪い姿勢やクセをやめることも治療のひとつとなっています。
特に子どもの場合、体が口のゆがみに合わせようとしてしまうため、症状が出にくいといわれています。
大人が姿勢の悪さなどに気づいて、やめさせなければなりません。
放っておくと、かみ合わせやあごの動きに悪影響がでてしまいます。
あごの鳴る音や食事の姿勢を点検しよう
両耳に小指を入れて軽く押さえ、口を開けたり閉じたりすると、耳の穴の前側にある骨が動くのがわかります。
そのとき、どちらかの耳にカチッという音が聞こえ、痛みがあると、顎関節がずれている可能性があります。
また、正座をくずした姿勢で食事をしたり、電話をあごにはさんで話すなども、あごに悪いクセです。
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