お口の中の話
2018/11/06

入れ歯の違和感

入れ歯はいくら高価なものでも、あるいはどんな名医が入れたものでも、自分の歯と同じようにはいきません。
特に入れたばかりのうちは口の中の異物感に悩まされるほか、いろいろとトラブルも起こりがちです。
特に総入れ歯などの床のついた入れ歯の場合は、歯茎や粘膜が痛むといった症状が多いようです。
口の中に異物を入れるのですから、入れ歯を入れた直後には違和感があるのは当然です。
あまり神経質にならずに、慣れるのを待ちましょう。

しかし、あまりに痛いときは入れ歯の床が歯肉の形に合っていないことも考えられます。
特にどこか1ヵ所が痛むときには、そこの歯肉に入れ歯の床があたっていると思われますので、がまんせず歯科医に見せたほうがよいでしょう。
そのうち慣れるだろうとがまんし続けていると、その箇所が擦れて赤くなったり、ときには潰瘍ができてしまう場合があります。

入れ歯のかみ合わせが悪い場合も、歯科医に調整してもらいましょう。
合わない入れ歯を長い間使っていると、あごの関節に負担がかかり、顎関節症になることもあります。
総入れ歯や取り外しができる義歯の場合には、義歯が外れやすいトラブルがよくあります。
ことに総義歯は、支えになるものが歯肉だけですから、義歯の床と歯肉とがぴったり合っていないと外れやすくなります。
「大きく口を開けると外れる」「ものをかんでいるときに外れる」といった様々なケースがありますが、いずれにしても歯科医にみてもらい調整する必要があります。

総入れ歯は、最初のうちは大なり小なり違和感がありますが、少しだけがまんして、なるべく外さないようにしましょう。
食事のときだけはめるというのでは、慣れるのが遅くなってしまいます。
最初はやわらかいものから、だんだんとかたいものを食べるようにするとよいでしょう。

入れ歯はきちんとお手入れしよう!

一日の終わりには入れ歯の清掃をしましょう。
汚れが付着したままですと、トラブルの原因になります。
汚れのつきやすい部分を知っておき、入れ歯のお手入れをする際は、その部分を重点的にお掃除してください。

【汚れのつきやすい部分】
上あご…うしろのふちや人工歯のつけ根の部分
下あご…内側の、歯ぐきの粘膜に密着する部分

入れ歯とお口のお掃除方法

1.目に見える汚れは、専用ブラシで清掃します。
強くこすると傷ついてしまうため、やさしく丁寧に洗いましょう。
上記の「汚れがつきやすい部分」は念入りに磨いてください。

2.目に見えない汚れは洗浄剤で除菌します。
寝る前は、水と洗浄剤を入れたコップに入れ歯を浸けておきましょう。

3.入れ歯を外した後のお口の中は、うがいをしてやわらかい歯ブラシで歯ぐきを洗います。
入れ歯と同様に丁寧に、やさしく行なってください。

 

引用元:
新訂歯がわかる本 みずうみ書房発行