歯みがきは誰でも毎日やっていることですが、”正しく磨く”ということになると、なかなかきちんとできている人は少ないものです。
では、どのように磨いたら正しい歯みがきができるのでしょうか?
まず、自分に適した歯ブラシを選ぶことが第一です。
そして、それを十分に生かした、効率のよい歯みがきを心がけたいものです。
歯みがきの目的は、大きく分けてふたつあります。
ひとつは「むし歯や歯周病の原因になる歯垢を取り除く」こと。
もうひとつは「歯肉をマッサージする」ことです。
もしも歯垢を完全に取り除く歯みがきがいつも行われていたら、むし歯はできません。
ところが「いつもきちんと磨いているのにむし歯ができた」という人は多いかと思います。
それは、きちんと磨いているつもりでも、あちこちに磨き残しがあるからです。
歯みがきには、その人の長年の癖というものがあり、それぞれが固有の欠点をもっています。
自分の歯みがきの欠点は、歯科医院でみてもらえばすぐに分かりますので、欠点をよくチェックしてから、今まで磨き残していた部分を重点的に磨くようにするとよいでしょう。
そのうえで奥歯や歯の裏側など、自分の苦手な場所に歯ブラシがうまく届いているかどうか、歯ブラシは適切かどうかなどのチェックも必要です。
歯の場所によって磨き方を変えましょう
歯の場所によってはただ磨くだけでは足りなかったり、歯ブラシがうまく届かない場合があります。
磨きにくい部分は磨き方を工夫して、しっかりと汚れを取りましょう。
【上の歯】
歯と歯ぐきのあいだ:歯ブラシをななめに当てて、汚れをかき出すように磨きます
前歯のうら:歯ブラシを縦にして磨きます
【下の歯】
奥歯のかむところ:まっすぐ前後に動かします
いちばん後ろの歯:歯ブラシのあたまの部分を使います
「歯みがき」ということから”歯だけをきれいにすればいい”というイメージが定着しているかもしれませんが、歯の健康を考えると、本当は「歯を磨く」というよりも「歯の清掃と歯茎のマッサージ」というべきなのです。
そういう意味では、「歯みがき」よりも「ブラッシング」の方が正確かもしれません。
歯と口腔の健康を考えて、正しいブラッシングを心がけましょう。
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