こどもの話
2018/11/20

よくかんで強い歯にしよう

3歳になれば、乳歯は全て生えそろい、かみ合わせも完成されています。
もう何でもかめる状態で、ほとんど大人と同じかみ方が出来るころです。
しかし、何度も根気よくかまなければならないような玄米のごはんやライ麦パン、固いお肉や固焼きのせんべいなどを食べると、少しかんですぐ出してしまう子もいます。
固い物を食べてもらうには工夫が必要になります。
〇形を変えたり、かみやすく切れ目を入れて与えてみてください。
〇上手に飲みこめたら、むずかしいことをやりとげた時と同じように褒めてください。
〇家族が同じものを一緒に食べることも大切です。

固い食べ物を食べるとあごが大きくなる?

人間の長い歴史のなかで、食べ物が固いものから柔らかいものへ変わってきたため、あごの骨が小さくなったと言われていますが、今から固いものを食べたからといって、すぐにあごの骨が大きくなることはありません。
固いものは飲みこむために小さくかみ砕きますが、かめばかむほど唾液がたくさん分泌されます。
唾液が混じった食べ物は消化吸収がよくなり、体への負担も少なく済みます。
柔らかいものを食べる時でも、よくかむことでお口のまわりの筋肉を使います。
筋肉の十分な発育がないと、あごの骨やそれを支える、あごの関節も育ちません。
ですので、よくかむことが重要になってきます。

歯に良い食べ物ってなあに?

歯に良い食べ物というとカルシウムが多いチーズなどの乳製品や、さくらえびなどの魚介類があげられます。
しかし、カルシウムだけを摂っていても歯に良いとはいえません。
カルシウムが体に吸収されるのを助ける”ビタミンD”も必要です。
ビタミンDは乾燥きくらげ、丸干しいわしなどに多く含まれています。
また、「清掃性食品」と呼ばれる食べ物も歯に良いとされています。
この清掃性食品とは、”その食べ物をかむときに歯の表面をきれいに掃除してくれる食べ物”をいいます。
食物繊維を多く含むコンニャクやゴボウが有名です。
口にすることで唾液の量を増やす、酸っぱい食べ物も清掃性食品に入ります。

食感や味をお口で感じることは成長するうえでも大事な経験です。
子どもの歯が揃ったら、固いものを含め色んな食べ物を食べさせてみてください。
食事の時間を、家族と過ごす楽しい時間にしましょう。

引用元:
歯の絵事典~健康に保つための知識がいっぱい~ PHP研究所発行
お母さんに知ってほしい子どもの口と歯のホームケア 医歯薬出版(株)発行