歯並びやかみ合わせがおかしい…これって大丈夫?
生えたばかりの乳歯は、捻じれていたりでこぼこだったりと、歯並びが不揃いであったり、独特な形の歯であることがあります。
歯並びは徐々に整っていく
乳歯は、赤ちゃんのときから使えるように小さなあごに合った小さいものが生えてきます。
この土台となるあごの骨の中で歯の芽が育つ時に、必ずしもあごの骨の中央にきちんと並んでいるわけではありません。
生えてきた歯は、舌の筋肉と唇、頬の筋肉のパワーバランスが取れたころに並んでいこうとします。
この筋肉による調整によって、きれいな歯並びができます。
また、成長とともにあごは大きくなりますが、歯は大きくなりません。
乳歯が生えた後、成長したあごにちょうど良い大きさの永久歯へ生えかわり、すき間が無くなります。
しかし、お口の周りの様々な癖によってこのバランスが乱れると、歯並びやかみ合わせに異常が起こることがあります。
乳歯の頃は変わった形の歯が生えてくる
生えたての歯はぎざぎざしていたりでこぼこしていたりします。
このでこぼこは、歯が生えるときに歯ぐきをやぶる大切な役割をしているといわれていて、やがてすり減って滑らかになっていきます。
他に、小さくてとがった歯が生えてくることがあり、これは「円錐歯」といいます。
よく見られるのは上の前歯で、真ん中から数えて2番目の歯です。
カドが無くて円柱状の歯になることがあります。
まれに「過剰歯」という、必要な数より余分に生えてくる歯があります。
形を見るとすぐに見分けがつきますので、かかりつけの歯科医さんに相談してみましょう。
かみ合わせが反対になる「反対咬合」
下あごの前歯が上あごの前歯を覆って、上下のかみ合わせが逆になっていることがあります。
これは「反対咬合」と呼ばれています。
特に前歯が生えたばかりの頃は、歯のちょっとした傾きの違いにより反対咬合になることがありますが、奥歯のかみ合わせができあがる3歳くらいまでに自然に治ってしまうこともあります。
乳歯の反対咬合の原因には
・前歯の傾き方
・あごが小さい
・下あごが大きい
・上記の原因が複合している場合
などがあります。
乳歯が生えそろうまでは経過を観察して、生えそろったら歯医者さんに診てもらいましょう。
歯の色、におい、出血…お口の中のトラブル
乳歯に色がつく「着色汚れ」
乳歯の色は白色から青白色といわれていて、永久歯と比べて白く見えます。
そのため、黄色から茶色のシミのような色が歯の表面についていると、とても目立ちます。
この着色の原因は様々ですが、ほとんどの場合は食品などの色素の沈着、口の中の細菌(特に嫌気性菌)が代謝の際に出すものの蓄積、むし歯の初期変化などです。
そのなかでも”食品の色素の沈着”が一番多く、代表として茶渋をあげることができます。
食品による着色は、歯みがき剤を用いて丁寧に歯みがきをしていれば防ぐことができますので、飲食後はしっかり歯を磨きましょう。
お口がにおう「プラーク」
お口のにおいの原因は、大抵の場合はお口の中の汚れです。
具体的には、歯にプラーク(黄色くてねばねばしている歯垢)や食べかすがついていて、それが汚れやにおいの原因になっている場合があります。
もし、においが気になったら歯医者さんで以下を調べてもらってみましょう。
・歯がきれいに磨けているか
・歯みがきをしても歯肉から血が出ないか
・大きな虫歯が放ったままになっていないか
歯茎から血が…出血の原因は?
物を食べた時や歯みがきをしたときに、歯茎から血が出ることがあります。
子どもの時の出血原因は下記のようなものがあります。
■歯が生えかわる時期
歯がグラグラして、なかなか抜けずに歯茎から血が出ることがありますが、一時的なことですので心配ありません。
■歯肉炎になってしまっている
歯茎が赤く腫れて食事や歯みがきの時に血が出やすくなります。
また、歯肉炎にも種類があります。
放出性歯肉炎:前歯が生えかわったり、6歳臼歯が生える時にかかる歯肉炎のことです。
一時的なもので、歯が顔を出してくると自然に治ります。
不潔性歯肉炎:歯みがきが行き届かず、汚れが溜まってできる歯肉炎です。
歯の周りについているプラークを、歯ブラシで取り除くことで簡単に治りますが、出血が怖くて歯ブラシを当てないためきちんと磨けず、治りが遅れてしまいます。
お子様が出血を怖がる場合は、お父さんお母さんも一緒に磨くなどして不安を和らげてあげてください。
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