こどもの話
2018/12/03

規則正しく食べよう

2才くらいまでに上下の歯が生えそろい、3才頃までには一番奥の歯である「第二臼歯」が生えて、乳歯は20本になります。
舌やほっぺた、あごをよく動かせるようになるため、しっかりと噛めるようになります。
噛めることで食べられるものが増え、”食べる”という行為から様々なことを学んでいきます。
言葉と同じで、離乳期からのお口の感覚や手指の運動は脳が覚える機能です。
■捕食
食べ物を目で確認して、手や器具を使ってお口まで運んだものを唇で捉えたり、前歯で噛み切ることを覚えます。
■咀嚼
食べ物を奥歯で噛んで細かくし、唾液とよく混ぜて舌の上に集めることを学びます。
■嚥下(えんげ)
舌と上顎できちんと食べ物をつかまえて、飲みこむことを身につけます。
食べる姿勢が悪いと首や頭の筋肉がうまく使われず、無理な唇や舌の動きで食べなければならなくなり、食べるための正しい機能も身につきません。

また、体も成長し、足を交互にだして階段を上がれるようになります。
この頃になると片足で2~3秒立てたり、手で直線を引いたり、円を描いたりできるようになります。
ここまでできるようになったら、食事の時は正しい姿勢で食べさせてください。
食事をするときには、足の裏が床やイスの補助板にぴったりつくようにイスに座り、姿勢をよくしましょう。

幼稚園などへ通園が始まる頃の食生活

通園により生活リズムは規則正しくなってきますが、子どもの自立性や社会性の広がりが出ることにより、新しい問題も生じてくる時期です。
よく遊ぶお友達とはお互いの家に行き、おやつをごちそうになる機会があると思います。
他にも「アメは小さいから1個くらいならむし歯にならないだろう」と、よかれと思って子どもにアメを与える近所の方や、「ママには内緒だよ」と、孫にお菓子をあげるおじいちゃん、おばあちゃん。
このような間食の多い「だらだら食べ」を続けてしまうと、唾液の働きが間に合いません。
その結果、お口の中が酸性の状態のまま長く続いてしまい、むし歯になってしまいます。
家庭によって食習慣や生活習慣に違いがあるかと思いますが、夕食前にはおやつを与えないように、あるいは甘いお菓子などをなるべく避けるようになど、よく話し合っておくことが必要になります。
小さなアメでも、長い時間お口の中を酸性にしてしまうおやつは歯の大敵。
甘いおやつは食事とセットにして、デザートとして「まとめ食べ」をしましょう。

むし歯になりやすい?その症状とは。

3才になった子どもは幼稚園や友達の家に行くなどの行動範囲が広がり、お母さんお父さんに管理されていた生活習慣を、自分の意志が働く行動とともにだんだんと変えていきます。
そのため、この時期はむし歯の初発が多くなります。
むし歯は次のような症状が特徴です。
1) 1本の歯の前や裏側など、多歯面(複数の面)に発症する
2)上の前歯や奥歯のかむ面にできやすい
3)進行が早い
4)むし歯から歯髄炎へと進行しやすい
また、前歯の歯と歯肉の境あたりに白っぽくなった初期むし歯を見つけることもあります。

生活習慣が変わることでむし歯の要因になる事柄も増えますが、幼稚園などで他の人と一緒に食事をするようになると、食事のマナーや新しく経験する食べ物の食べ方も覚えていきます。
むし歯に注意しつつ家庭でも食事の時間を大切にして、子どもが楽しくマナーを覚えながら食べられるものを増やしていきましょう。

引用元:
はじめての歯みがきレッスン
お母さんに知ってほしい子どもの口と歯のホームケア 医歯薬出版株式会社発行
親と子の健やかな育ちに寄り添う乳幼児の口と歯の健診ガイド 第2版 医歯薬出版株式会社発行
歯と体の発達に合わせた赤ちゃんと幼児のごはん 0~3歳 婦人之友社発行