食べ物をずっとお口にためたまま食べない
離乳食にステップアップした頃、食べものをいつまでもお口の中にためていたり、食べる量が少なくなることがあります。
その原因は様々ですが、大きく分けて3つあります。
■食べかたの問題
一口の分量が分からないと、お口の中に詰め込みすぎることがあります。
大きめの食べものを噛みとって、一口の大きさを学びましょう。
ご飯をぽろぽろこぼしてしまう場合は、食べやすい量を口の中に入れ、くちびるを閉じて奥歯でしっかりかんで食べるようにしてみましょう。
4、5才になってもこぼすようなら、舌や口、くちびるの使い方に問題があるかもしれません。
■歯や舌に原因がある
むし歯がある、かみ合わせが悪い、乳歯が完全に生えていない、などが考えられます。
■生活リズムに問題がある
おやつが多い、 ジュースや牛乳のとりすぎ、あまり運動していないのでお腹が空いていないなど。
また、寝る時間・起きる時間が遅いと生活リズムがくずれてしまい、遊び食べや偏食も多くなります。
早めにお休みして早起きし、 食事とおやつ(3食+間食)や運動することを大切にしましょう。
しかし食べる量には個人差がありますので、極端に食べないということでなければ心配いりません。
量は少なくても、たくさん動いていろんな種類のものを食べていればお腹が空くことを覚えていくので、自然と食べる量も増えていきます。
原因がお口の中や歯にあるようでしたら、歯医者さんで診てもらいましょう。
好きなものしか食べないときは?
お子さまが食事の時に好きなものしか食べず、他の物を残してしまうこともあります。
子どもにも食べ物の好みはありますが、出来るだけ偏らないように考えてあげることも大切です。
例えば、親の好みで食事を与えていたとすれば、子どもの好みも偏ります。
幼少の頃は色々な食事を経験させ、味覚の幅を広げてあげるように心がけましょう。
嫌がって食べない時は、他の食材と一緒に料理したり、味付けを工夫するなどして何回か食べさせてみるというのも大切です。
料理を作る時は、いつも同じ食材や食事にならないように気をつけましょう。
「一口30回噛むと良い」って本当?
「一口につき30回噛むと良い」とよく聞くと思います。
たくさん噛むことで満腹になりやすい、あごの筋肉が鍛えられるという効果はありますが「よく噛む」ことが大切で、回数には特にこだわる必要はありません。
お料理に合わせて、しっかり噛んで食べましょう。
よく噛まないで食べる癖を直したい
食べ方は、離乳していく中で、乳汁からだんだんと固形の食事に移行し、噛むことを覚えていく時期に
(1)よく噛んで食べた(食べさせてきた)か
(2)幼児食へと移行する1~2才の時期にどうであったか
ということに関係してきます。
しかし3才でも、小学生になってからでも、噛まずに飲んでしまう癖に気づいたときが直しどきです。
まずは食事の時間を規則正しくとり、早食いをさせないようにしましょう。
お父さんやお母さんたちも急かさずに、落ち着いて食べる習慣をつけると良いでしょう。
また、一度お口に入れた食べ物を食べきる前に次々とほおばると、丸呑みにしてしまいます。
一口を無理のない量にして、順番に噛んで飲みこめるように”よく噛む”ことを促しましょう。
その時に、必ずお口を閉じて鼻呼吸をしてください。
食事以外では、生活の中でお口を動かしてみましょう。日頃から、お口を使う遊びを取りいれていくのも良いかもしれません。
例えば、表情を変えるにらめっこ、シャボン玉や風船を膨らませる。
ストローを使って、コップの中のお水をブクブクしたり、少し吸ってからピューッとお水を遠くまで飛ばす。
そうやって、お口や舌を使った遊びをたくさんしましょう。
お母さんやお父さん、お友達などと楽しく過ごす時間の中で癖を直す方法はたくさんあります。
あせらずに行なっていきましょう。
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