お口の中の話
2019/05/25

放置しておくと怖い! 大人のむし歯

「むし歯がある」とわかっていても、なかなか歯科医院に通えないという方もいらっしゃるでしょう。
そのうち、気にならなくなってきて気がつけば何年も放置していたといったケースはめずらしくありません。しかし、たとえ痛みが消えたとしても、むし歯が消えたわけではないのです。

“広くて浅い”のが大人のむし歯

大人と子どものむし歯には、そのできかたにも違いがあります。
子どものむし歯は、一般的に“狭くて深く”入口は狭くても奥の方で進行していて、歯の神経まで達していることが多いため、痛みを感じます。
大人になると、よほど歯みがきができてない人でないかぎり、こうしたむし歯はできにくいのです。
大人のむし歯の特徴は“広く浅い”ことです。この状態を「慢性う蝕」といい、歯が茶色っぽかったり、黄ばんだ感じになり、さほど深くなく広範囲に広がって歯を弱めていきます。 そして浅いため、神経まで到達せず痛みを感じることは少ない傾向があります。また治療のために、すでに神経を取っている場合、むし歯が進んでも痛みはでません。
なかなか気づきにくいのが大人のむし歯なのです。

むし歯で起こるお口のトラブル

食べたいものが食べられない

噛むと痛みがあるようなむし歯の場合、固い食べ物を避けたり、むし歯とは反対の歯だけで噛むようになり、食事が不自由になります。

強い口臭の原因になる

むし歯を放置すると、その穴に溜まった食べかすなどが腐り、強い口臭を発生させる原因になります。

他の病気を引き起こす可能性も

歯は血管を通して体の様々な器官とつながっています。むし歯菌が肺に運ばれると肺炎を起こすこともあります。心臓へ運ばれると心内膜炎や心筋梗塞の原因にもなります。

噛み合わせにも変化が起こる

むし歯によって歯が欠けたり大きさが変わってしまうと、隣接する歯の噛み合わせや歯の位置のバランスが崩れ、歯並びが悪くなったり、噛みにくくなることがあります。さらに顎の関節にも異常をきたす場合もあります。