お口は食道・胃・小腸・大腸・肛門とつながっていて、食べ物が消化・吸収・排泄される通り道(消化管)の最初の器官です。
食べ物の入り口としてだけではなく、会話や呼吸、味覚や触覚などの感覚器官としても重要な役割を担っています。
だからこそ、お口の中をきちんとケアすることが私たちの健康寿命を延ばすための第一歩なのです。
お口の健康が全身の健康に!
介護を必要とせず自立して生活できる期間を健康寿命といいますが、厚生労働省の調査によると実際の平均寿命との差が約8年~12年あるということです。つまりその間は、要介護の状態になってしまう可能性があります。
お口や歯の健康は、この問題に深く関わっています。
500種類を超える細菌がお口の中に存在するといわれ、口腔ケアを怠っていると、湿度と温度が保たれたお口の中は細菌にとって格好の温床となり、歯垢や歯石、舌苔ができやすく、むし歯や歯周病になって歯が失われるだけでなくさまざまな感染症を引き起こすことがあります。
その結果、お口の機能が低下して食生活にも影響が及び、内臓の機能も衰えていくことになりかねません。お口の状態が良く歯がたくさん残っている人ほど、全身疾患のリスクが低く健康で長生きであり、また認知症も発症しにくいことが分かっています。つまり、全身の健康を保っていくためには、お口の健康を気遣うことがそのスタートラインといえるでしょう。
お口のケア3つの基本
1.正しい歯磨きをすること
歯磨きを毎日しているからといって、汚れがしっかり取れているとは限りません。
歯の形は複雑なので、歯ブラシの毛先が届いていないところには必ず汚れが残ります。一度歯科を受診し、ご自分に合った、磨き残しの少ない正しい歯磨きを学びましょう。
2.寝る前に必ず歯磨きを
睡眠中はだ液が減るので、お口の中の自浄作用が低下し、口腔内細菌が増殖する魔の時間帯です。夕食後か寝る前には必ず歯磨きをする習慣をつけましょう。
3.お口の中を乾燥させない
細菌やウイルスを防御してくれるだ液をたっぷりと出すためには、お口を乾燥させないことが重要です。
食事はよく噛んで食べ、鼻呼吸を心がけましょう。ストレスを貯めないこともだ液の分泌には欠かせません。生活の中にリラックスタイムを作りましょう。