お口の中の話
2020/04/26

歯の健康は全身の健康に
6月4日~10日は“歯と口の健康週間”です!

私たちが歯を失う原因のほとんどは、むし歯や歯周病によるものです。中でも、歯周病は全身の健康に悪影響を及ぼします。
むし歯や歯周病は、お口の中の細菌や歯の周辺に付着している歯垢(プラーク)が原因でおこります。
では、その細菌や歯垢(プラーク)とは一体どういうものなのでしょうか?

口腔細菌のコントロールが全身の健康に!

私たちの口の中には、口腔フローラと呼ばれる口腔細菌群が住んでいて、腸内フローラや皮膚フローラと並んで三大フローラと言われています。その細菌は500~700種類に及び、さまざまな性質を持っています。この口腔細菌の一部が悪さをすることで口の中の健康状態を害し、むし歯や歯周病が引き起こされます。
また、近年ではお口の健康と全身の健康との密接な関係が明らかになりつつあります。そのため、口腔細菌の状態を良好に保つことが全身の健康維持のために大変重要なのです。

むし歯菌っているの?

むし歯は歯垢(プラーク)の中に潜む細菌が糖分を分解して酸を出し、歯のエナメル質を溶かすことで発生します。
ミュータンス菌がその代表的なものとして知られていますが、それ以外にも酸をつくる細菌は沢山います。ですから“むし歯菌”というものがいるわけではありません。
むし歯を防ぐには?
甘いものを食べなければむし歯にならないかというとそうではなく、問題はその食べ方にあります。
ダラダラと食事をしたり間食を頻繁にしていると、口の中では常に酸が作られて歯が溶け続けます。食事や間食は時間を置いて菌の活動を抑えましょう。

歯垢(プラーク)は菌の巣窟

歯磨きを1日でも怠ると、歯の表面にはネバネバした滓(かす)のようなものがたまってきます。歯磨き直後のツルツルした表面とは異なり、舌で触れるとザラついた感じがあります。これが歯垢(プラーク)と呼ばれるもので、その中には1グラムあたり1,000億個もの細菌が潜んでいます。
お口の2大疾患であるむし歯や歯周病は、ともにプラーク中の細菌によって起こる感染症で、多数の細菌が関与しています。しかしプラークの中の細菌は、薬で撃退したり除去したりできません。また、体の免疫細胞でもやっつけることができないのです。

ウィルス対策の予防のためには、お口の清潔が大切!

二本柱で菌に勝つ!

菌の温床である歯垢を取り除くには、正しい歯磨きが最善の方法。
歯ブラシだけでなく、歯間ブラシやフロスを使って歯垢をしっかり落としましょう。また、自分では取り除けない歯垢を除去するために、歯科による専門的なクリーニングも必要です。
毎日のていねいな歯磨きと定期的なプロによるクリーニング。この二つの柱で菌に勝利しましょう!