歯とからだの話
2022/09/26

スポーツと歯

「噛む」という行為には「消化の促進」や「顎の発達」といった効果があることはもちろん、近年はスポーツの分野でも注目されるようになりました。スポーツ医学の歯科分野である「スポーツ歯学」においては、「噛む」ことと「スポーツ」の関連性について研究が進められています。

「噛む」ことはスポーツにどんな影響が?

筋力がアップ

上下の歯が合わさると、「噛んだ」という情報が、脳の「運動野」という場所に伝達され、体を動かす「骨格筋」などの反応や動きに影響を与えます。
歯をしっかりと食いしばることで、筋力が4~6%程度アップすると言われています。

重心・姿勢が安定

歯を噛みしめると、首にある筋肉に力が入り、首が安定します。首が安定すると体の軸がぶれず、平衡感覚も維持されるため、結果的に体が動かしやすくなったり視線が定まったりするため、パフォーマンスの質の向上につながります。

集中力・判断力の向上

噛むことで認知機能を司る前頭前野の血流がよくなり、集中力と判断力が高められます。また噛むことでだ液の分泌が促されるため、喉の渇きを抑える効果もあります。

 

「マウスガード」の重要性

マウスガードは、外部からの衝撃から口腔内を守ったり、脳などへの衝撃を和らげる働きをするものです。
弾力性のあるやわらかい素材でできていて、通常は上顎に装着します。ボクシングやアメリカンフットボールなどのコンタクトスポーツではマウスガードを装着する義務がありますが、最近ではそれ以外のスポーツでも、装着することでパフォーマンスの向上につながることがわかってきました。
マウスガードにはスポーツ用品店などで販売されている既製品と、歯科医が、選手の参加する種目、レベル、口腔内などを考慮して作成し、噛み合わせの調整が適切に行われるカスタムメイドタイプの2種類があります。