噛めるしあわせいつまでも
「この年になると食べることが一番の楽しみなのです」「こんなことになるんだったら、若い時からもうちょっと歯を大切にしておけばよかった」こんな会話よく耳にしませんか?
厚生労働省の調査では、日本人は50歳ですでに平均8本の歯を失い、約20本しか歯がありません。これ以上歯をなくすと満足な食生活を送ることはできません。一方、平均寿命は80歳代にのびていますが、歯の寿命がそれに追いついていないのが実状です。
歯を失う原因はむし歯だけではありません。歯ぐきの病気である歯周病も大きなウェートを占めています。歯周病は、歯垢や歯石の中にいる細菌が歯ぐきと歯根の周りの骨をとかしていく病気です。普通は30歳代で始まり、40歳代で加速、50歳を過ぎた頃から歯が抜けていきます。35歳〜44歳で80%の人にみられ、いったん治癒したようにみえても容易に再発するのが特徴です。
何でも食べて生活エンジョイ
日本歯科医師会と厚生労働省は共同で、80歳で20本の歯を残そうという「8020運動」を提唱しています。高齢になっても自分の歯か入れ歯で何でも食べられる人にはボケが少なく、交際が広く生活をエンジョイしている人が多いと聞きます。同じように老後を迎えても、歯があるかないかでは、人生の中味が大きく違ってくるんですね。
歯を残すには、毎日の丁寧な歯磨き、バランスのとれた食生活はもちろんのこと、歯科医院での定期検診が大切です。最近は、歯科治療が終了した患者さんに対して、定期的にフォローしていく定期検診を実施している歯科医院が多くなっています。ぜひ、80歳で20本の歯を残す方策のひとつとしてこれを受けることをお勧めします。
引用元:
いい歯健康法 春夏秋冬 かもがわ出版刊 大阪府歯科保健医協会
いい歯健康法 春夏秋冬 かもがわ出版刊 大阪府歯科保健医協会