喫煙は歯にとってもいいことナシ!
昔から「たばこは百害あって一利なし」といわれています。たばこは肺がんや心筋梗塞の原因になるだけでなく、長寿のバロメーターともいえる善玉コレステロールHDLを下げてしまいます。また、女性にとっては生理不順や肌荒れの原因にもなりますし、妊婦の喫煙は胎児にも悪影響を及ぼします。 歯科の面から見ても、第1に、ニコチンは血管を収縮させますから、歯科組織(歯ぐきや骨)の血管が縮んで血液の供給が減少します。第2に、喫煙すると細菌とたたかう大切な役目を持った白血球の機能が五〇%も減少し、歯周組織を細菌から守る力が弱くなります。第3に、治療したところを回復させるために重要な細胞の能力にも影響を与えます。
要するに、喫煙すると歯周組織の抵抗力が著しく減少し、治療しても治りにくいということなのです。
また、喫煙者は歯石がつきやすく、歯ぐきの色が黒ずみます。頬の内側や舌に白い斑点ができやすくなり、これがガンに変わることもあります。さらに、喫煙は口臭の原因にもなります。
禁煙を成功させるための準備
①誕生日や月の初めなど後から思い出せる日、または仕事が忙しくなく休暇が取れるときに始める ②一緒に禁煙する「戦友」を見つける ③自分が本当に禁煙したいと思っているか確認する ④喫煙コスト(たばこ代、健康への損失額)を計算する。
決心したら実行に移します。禁断症状がおきるので水と果汁を十分にとりましょう。正しい方法で腹式呼吸をする、冷水摩擦をする、アルコールを飲まない、たばこは吸わないと自己暗示する、吸う人たちに近づかない、なども工夫のひとつです。
節煙も第一歩
しかし、どうしても禁煙できない人は、まず節煙から始めてみてください。
①一日五本前後にする ②半分吸ったら惜しげなく捨てる ③部屋の大きさ、空気の流れ、他人の迷惑を十分に考えて吸う ④吸いたくなった場所や行動を認識する ⑤たばこに代わる自分に適したストレス解消法を身につける—などです。
たばこをやめると咳や痰が止まり、食べ物の味がよく分かっておいしくなったりします。
いい歯健康法 春夏秋冬 かもがわ出版刊 大阪府歯科保険医協会