磨けていないところはありませんか?
「わたしは毎食後歯を磨いています」という人でも、実際にはきちんと磨けていないということがよくあります。
というのも、磨きにくいところ、歯ブラシの届きにくいところがあります。また、人によって磨き方のくせがあって、どうしても磨き残しているところが出てきてしまうのです。お掃除でも「四角い部屋を丸く掃く」という言葉があるように、歯と歯の間、歯の裏側、噛み合わせの部分など、磨いているつもりでも磨けていないところがあります。
まず、基本の歯磨きを マスターしましょう。
どんな磨き方をしていますか
歯磨き剤をつけ、ごしごしと磨いて口の中がさっぱりしたから、おしまいというような磨き方では、1日に何回磨いてもむし歯や歯周病は防げません。
歯磨きは、「身だしなみ」ではなく、歯をむし歯菌や歯周病菌から守るためにするのです。むし歯菌や歯周病菌の温床、バイオフィルムは、歯の表面にできます。歯ブラシの届かないところでは、厚みを増し、その下では歯の破壊が進んでいます。
磨き残しをなくすことが第一です。歯の根元、歯の間を意識して磨きましょう。
力をかけずに、時間をかけて
時間をかけて歯磨きをすれば、歯の汚れはかなりとれます。力ではなく時間を!
◆奥歯は磨きにくいところです。口を閉じぎみにして、歯ブラシを入れるとよく磨けます。口を大きく開けると、歯ブラシがよく動きません。
◆手鏡を使って時間をかけて磨きましょう。洗面台で長い時間磨くのはたいへんです。ソファに座って、手鏡を使いながら、磨くといいでしょう。お風呂で磨くのもひとつの方法です。半身浴をしながらやれば、一石二鳥です。
◆ 口の中をすっきりさせたいのであれば、じっくり磨いたあとで、歯磨き剤を使いましょう。
基本の歯磨きをマスターしよう!
歯ブラシの持ち方
鉛筆を持つように軽く、
歯ブラシの先が自在に動かせるように。
磨くところ
歯の根元を集中的に磨きます。
歯ブラシを45度に傾け、歯と歯茎の間にブラシが入るように。
力加減
力は入れずに、ブラシを左右に振動させるように動かします。
このように磨く方法をバス法といいます。
念入りにしたいところ
歯と歯茎の境目、歯並びが悪い所などは、磨き残しが多い所です。
歯の汚れを染色する薬剤が薬局で売られています。染色剤を使って、磨き残しがある所をチェックしてみるといいでしょう。
むし歯・歯周病 花田信弘・井田亮・野邑弘美著 小学館刊