お口の中の話
2018/08/10

入れ歯のお手入れはとても大切

ものをかむと入れ歯も汚れます。

汚れをそのままにしておけば、口の中が不潔になって、部分入れ歯なら、ほかのまだ健康な歯に虫歯ができやすくなります。また、総入れ歯の人でも口臭の原因になるなど、口腔衛生上よくない影響があります。

総入れ歯を何日も外さないでいると、義歯床と歯肉の間に食べ物のかすなどがたまり、いやな臭いを放ちます。さらに放置すると歯肉に炎症が起こり、*義歯性口内炎にまで進みます。義歯性口内炎になると歯肉が過敏になって、ちょっとした摩擦で痛んだりします。

取り外しのできる入れ歯は、毎食後必ず洗う習慣が大切です。茶碗や箸と同じように考えればよいわけです。ていねいに水洗いし、歯ブラシですみずみまで汚れを落とします。ただし、歯磨き剤に含まれる研磨剤が義歯を痛めますので、歯磨き剤は使わないでください。

また、義歯のプラスチックは、目に見えない細かい穴があります。そこに入り込んだ汚れを完壁に落とすためには、入れ歯洗浄剤が効果的です。洗浄剤は歯科医院で選んでもらいましょう。

義歯を支えている歯肉や、バネを引っかけている支えの歯も、忘れずによく磨いてください。バネを引っかけている歯は汚れやすく、また、その歯根にもより多くの負担がかかっているのです。義歯の安定が悪いのは義歯が合っていないからで、問題をきちんと解決しないで、義歯安定剤に頼り、とりあえず毎日を過ごしていると、歯茎がやせたり、あごの骨に負担がかかったりして、よくない結果を招くことがあります。そのような状態にならないように、早めに歯科医院へ行きましょう。

*義歯性口内炎 義歯の土台は多孔質のために、カンジダ菌が付きやすい。つねに清潔にしておくことが大切。

毎日のお手入れが大切です

<残存歯(残っている歯)のお手入れ>
歯垢や食べかすのつきやすいところは、丁寧に磨きましょう。→の所をよく磨きましょう。

義歯(入れ歯)のお手入れ

義歯用歯ブラシと洗浄剤を併用すると効果的です。

就寝時の義歯(入れ歯)の保管

就寝時は外して洗浄液または、水の中に入れておきましょう。就寝中に歯ぐきの休息をとらせるとともに、誤飲の防止にもなります。変形を防ぐために水に浸けておいてください。

 

引用元:
歯がわかる本 鴨井久一監修 みずうみ書房刊